決断力を鍛えるフレームワーク「WRAP」とは【決定力!書評】

仕事
悩んでいる男

何かを始めようと思っても決断に時間がかかっちゃう
具体的なフレームワークとかないかなあ

そんなお悩みにお答えします。

本記事を読んでわかること
・決断力を鍛えるフレームワーク「WRAP」とは

本記事はチップハース、ダンハース著の「決定力!」を一部抜粋し書いています。

私もこのフレームワークを使い日々の研究計画の立案、
遂行しているので経験も踏まえ説明します。

本書「決定力!」は書かれている事例や文体含め、非常に読みやすく、とても面白いのでおすすめです。

スポンサーリンク

決断力を鍛えるフレームワーク「WRAP」とは

W:選択肢を拡げる(Widen Your Options)

まずはじめは「選択肢を拡げる」です。

これは視野の狭窄を避ける目的があります。

視野の狭窄とは人間が陥りやすい思い込みの一つです。

視野が狭めて物事を見てしまい、意思決定の際に「白か黒か」で決めてしまう傾向の事です。

では具体的に「選択肢を拡げる」方法は以下です。

機会費用を考える

機会費用とは目の前の選択肢を「選択しなかったら」どうなるかを考えます。

例えば3万円代でどのTVを買うか迷っているなら

「TVを買う or TVを買わないで3万円で別のものを買うか」

という質問にしてみましょう。

これだけで別の選択肢に気づくことができ、視野の狭窄を抑えることができます。

決断する際にはこの選択をしたら何をあきらめなければならないかを考えましょう。

選択肢の消去テスト

これは「今考えている選択肢がどれも選べないとしたら、ほかに何ができるか」を考える方法です。

目の前の選択肢を選べないという状況を想像すると、今まで見えていなかったものを探す必要が出てくるので、脳がそのように動いてくれます。

注意してほしいのは

「別の選択肢を考えよう!」

ではなくあくまで

「目の前の選択肢を消去して考えよう」

です。

視野の狭窄に陥ってしまっている時は別の選択肢を考える程度では、心のスポットライトが全然動きません。

ORではなくANDで考える

これはどちらか一方(OR)ではなく、選択肢を並列に実行する(AND)ということです。

会社のプロジェクトで何か対策案を実行する際にも、予防的な案も同時に進めたほうが失敗しづらいことがわかっています。

これは複数の選択肢を順繰り実行するのではなく、あくまで並列的に実行します。

AかBかという選択肢が出て選べないなら、どちらもやっちゃおうという図々しさも重要です。

R:仮説の現実性を確かめる(Reality-Test Your Assumptions)

人間は基本的に自分の考えを裏付ける情報を探そうとしてしまいます。

これは「確証バイアス」を呼ばれるもので自分では非常に気づきづらいものです。

だからこそ意識的に自分の仮説が本当に見込みがあるのかを疑う必要があります。

その方法が下記のものです。

反対意見を適切に探す方法

確証バイアスを抑制するために意識的に反対意見を集めましょう。

このためには「この選択肢が正解であるためにはどのような条件が必要か」を常に探すのが重要です。

その際、「反対意見がもしも最善の選択肢だったとしたら、どのようなデータがあれば納得するか」を考えていくことで、もし議論の場でも反対意見を言ってくれる人も一緒に参加してもらうことができますし、確証バイアスを防ぐことができますよ。

あえて失敗してみる

これはそのままの意味で、逆の意見をあえてやってみることです。

あえて計画的に失敗をしに行くことで、失敗した場合も仮説の検証になり、
証拠に基づいて検証しようという考え方が根付きます。

例えるなら恋愛でも直観で異性を断っていくよりも、
あえて失敗するつもりでデートにいくとたまに当たりがあります。

ただしこの場合は上で述べた「AND」で実行していきましょう。

ズームインとズームアウトの両方で物事を見る

ズームインとは物事の局所的な部分を見ること
ズームアウトとは物事全体を大局的に見ることです。

これはどちらも併用してみなければいけません。セットです。

ズームインをすることで全体では見逃していた部分を補完することができるとともに、
直観を生み出してくれます。

これは問題が発生している現場を実際に見ることで例えることができますね。
実際の現場の複合的な情報を得ることで見えてなかったものが見えます。

逆にズームアウトは全体をデータなどで客観的に見ることができるので確証バイアスを防ぐことができます。
お店を選ぶときの口コミとかですね。

この両方を使うのが重要です。

外部の視点に立ち、自分と似た選択をした人々の経験から教訓を学びとりつつも、状況をクローズアップし意思決定の参考となる「色合い」をとらえるべきと本書にも書かれています。

机上のみの仕事も、現場だけを見る仕事も偏るのはいけないですね。

A:決断の前に距離を置く(Attain Distance Before Deciding)

これは一時的な感情や葛藤に打ち勝ち、最善の選択をするために必要です。

この一時的な感情は厄介です。
ダイエットしてる時の一時的な食欲とかがそうですよね。

ではこの感情を遠ざけるためにはどうすればいいでしょうか。

10-10-10ルール

この方法は決断したあと10分後、10か月後、10年後を想像する方法です。

このように未来の自分の感情を現実と思って考えることで決断の良し悪しを自分事としうて考えられます。
よって一時的な感情を客観視することができます。

しかしこれはあくまで一時的な感情の選択肢の他に長期的な選択肢を加える方法にすぎません。

一時的な感情が大事な時もあるし長期的な視点も大事な時もあるので他の方法も一緒に使いましょう。

友人にアドバイスするとしたら?で考える

人にアドバイスすると考えると最重要な要因だけ見て選択肢を選ぶことができます。

恋愛とかでも友達が浮気で悩んでるって言っていたら、そんなの別れたほうがいいよと簡単にアドバイスできますよね。
もしそれが自分では感情によりそんな簡単には決められません。

相手にアドバイスする場合だと一時的な感情に気づきやすいんです。

核となる優先事項を決める

自分なりの優先事項は書き出すことで見えてきます。

本記事で説明しているWRAPで選択肢を出すことで客観的に見ることができ、リスト化できます。
ですが最後にはこの核となる優先事項に沿って決断を下しましょう

ここまで一時的な感情を遠ざける方法を書いてきましたが、
最終的な決断後に残るのは感情です。

意思決定に苦しむ場合は核となる優先事項が対立している場合がほぼです。

長期的な価値観、目標、夢、どんな人になりたいかを明文化する

明文化しておくことで何か迷った時に
いやいや私の価値観はこれだからこの選択をしよう!
とその場の「一時的な感情ではなく」、「人生を通した感情」で決定できます。

P:誤りに備える(Prepare To Be Wrong)

選択した後、人間は未来の出来事に対して「自信過剰」になりやすいです。

なんとなくうまくいくだろうと考え、計画を甘く立てがちです。

だからこそ最後に失敗確率を下げるために事前に誤りに備えましょう。

本書ではたくさんの手法が書かれていますが、
ここではそこからピックアップして紹介します。

安全率を設定する

これは自分の計画の必要最低限の数値に対し、安全率をかけて余裕をもたせるものです。

これによって自信過剰に陥って予測を見誤る可能性に備えることができます。

例えば自分の仕事の終える時間の見積もりが3日間とした場合に、
プラス30%の安全率をかけて4日間で計画をしておき、
予備期間を設けるといいです。

人間は未来の計画を立てるのが非常に下手で実際よりも短く計画を立てがちなので、非常に効果的です。

小分けにして惰性を抑制する

計画した業務を進めていく時に、頭が自動操縦モードになっている時があります。

このときの行動が自分では気づかないうちに楽な方向に行っている場合があります。

これを防ぐために意思決定にアラームを設定し、意思決定を改めて見直す機会を予定に組み込んでしまうのが効果的です。

例えば

・期限を設けてアラームとして働かせ行動に移す
・予算などは小分けにすることで使いすぎを止める

などです。

大事なのは事前に予定に組み込むことです。

気付いた時にやればいいやーではだめです。
なぜなら気づかないからです。

事前に予定に組み込むことでアラームとして働かせることができます。

プロセスを公正にする

これは意思決定を行うその過程できちんとした公平な進め方をするということです。

対立者の意見もきちんとくみ取って考えていくシステムを作ることで、上で述べた視野の狭窄を計画実行中も防ぎながら進めることができます。

そのためには議論に参加している人々が主張を言える・聞いてもらえるような状況を作る必要があります。

相手が意見を言ってくれれば、その意見を要約してこういうことですよね?と聞きなおす
相手が反論してきた場合は、こっちの主張の良いところをアピールばっかりしない

など当たり前と思われがちですが、自分が攻められていると思ってしまうとついつい防御を固めてしまいます。

ですが、これをしないと、

「この人はもし今後これで失敗しても頑固に変えなさそうだ」

と思われ、反対意見も出ないので、どんどん視野が狭くなってしまいます。

きちんと相手の意見を受け入れ、メリットデメリット考えた上で意思決定してるし、なんかあったときは行動する準備もできていると伝えていくのが重要です。

最後に 決断力を鍛えるフレームワーク「WRAP」

この「WRAP」を使うことで判断の成功確率は上がりやすいです。

しかし確実に間違った判断を下さないというわけではありません。

色々な外乱があるので確実にうまくいくものではありません。

しかしこのWRAPを意識して決断を繰り返すことで、決断力の腕は確実に上がります。

この方法を意識してどんどん使っていく。
実行していくことで真価を発揮していきます。

ぜひこの記事を見てくださったあなたも今日からすぐにつかってみてくださいね。

またこの記事では本書の良さをすべては載せきれなかったので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
面白い本であることは保証しますよ。


また別記事でも決断力を上げる方法を紹介してるのでこちらもぜひhttps://kidablog.com/ketsudan-three-rule/

ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました